
2019年10月8日に再開された「あいちトレエンナーレ」の表現の不自由展。実際どのような問題なのか、よく分からないという方もいると思いますので、この記事でわかりやすく解説します。
問題とされる作品は何なのか、天皇陛下への侮辱とも捉えられかねない作品があると話題です。
さらに、展示会への倍率も凄いことになっているので、そちらも紹介いたします。
表現の不自由展とは?わかりやすく解説
表現の不自由展は、日本における「言論と表現の自由」が脅かされているという危機意識から、検閲や忖度により、表現の機会を奪われた作品を集めて行われる展示会です。
2015年に初めて開催されました。
「タブー」とされるようなテーマの作品を集め、いかにしてその表現の機会を奪われることになったのか、その理由と共に作品が展示されています。
具体的に扱われているテーマは、以下のようなものがあります。
- 慰安婦問題
- 天皇と戦争
- 植民地支配
- 憲法9条
- 政権批判
表現の不自由展は、愛知県美術館ギャラリーで開催されており、そこに行けば、それぞれの作品に込められた思いやその時代背景、さらになぜ表現の機会を奪われることになったのかを知ることができます。
「表現の自由」は、民主主義においても非常に重要となる基本的人権の1つ。しかし、無制限に認めてしまうと、公共の福祉に反する懸念があるため、一定程度の制限を受けるのが実情です。
「表現の自由だから」と全ての言論を認めてしまえば、世の中は滅茶苦茶なことになってしまいます。だからこそ、実際に表現に至るまでの過程では、「検閲」が重要視される作業になっているのです。
表現の不自由展の問題作品では天皇陛下が燃える?
2019年10月8日、愛知県名古屋市の河村たかし市長が「表現の不自由展」が再開されることを受けて、座り込みで抗議を行ったことが話題となりました。

河村市長の腕には「陛下への侮辱を許すのか!」というプレートが。これは一体どういうことなのでしょう。
調べてみると、昭和天皇の御影が燃やされるという映像が流されているようです。
このほかにも、平和の少女像などが展示されている表現の不自由展。
河村市長は8月2日に同展の視察に訪れていた経緯もあって、表現の不自由展の作品を「どう考えても日本人の心を踏みにじるものだ」と糾弾しているのです。
表現の不自由展の倍率が凄い!
「表現の不自由展」は中止以前は、特に入場制限はありませんでした。しかし、10月8日の再開後は定員30名の1日2回のツアーが開催されるのみ。
よって、その入場をめぐって来場者の間でもの凄い競争となりました。
10月8日の倍率はそれぞれ次の通り。
- 1回目:23.6倍(709人が応募)
- 2回目:21.6倍(649人が応募)
1300人に迫る数の人が、入場することができなかったという訳ですね。
入場方法のみならず、鑑賞方式や作品撮影などにも強い規制がかけらています。
10月7日には衆議院の代表質問でも取り上げられたこの問題。表現の自由をどこまで認めるかは、本当に難しい問題であると、改めて感じさせられます。
まとめ
- 表現の不自由展は、タブーとされるようなテーマを描いた作品を集めた展示会です。
- 表現の不自由展の作品には、昭和天皇を踏みにじるようなものもあり、批判の的となっています。
- 再開後の「表現の不自由展」は非常に高倍率となっており、入場規制がかけられている状況です
中高生の頃、やたらと「公共の福祉」という言葉を覚えた気がしますが、改めてその意味が分かってきたような気がします。
明確な定義がないからこそ、難しい「表現の自由」の問題。
今後似たような企画展が出てくることもあるでしょう。その際、行政はどのように対応するのが正解なのでしょうか。
以上「表現の不自由展をわかりやすく!問題の作品に天皇陛下?整理券に倍率が凄い」でした。